新築区分ワンルームマンションの罠②

ども。

 

辞めリーマンです。

 

今日は天気も良く暖かいですね。

 

 

さて、前回の続き

 

新築区分ワンルームマンションの罠①

https://shihonkae.hatenablog.com/entry/2020/02/16/073738

 

として、実際の収支シミュレーションをしてみましょう。

 

まず新築満室時点のキャッシュフローが毎月マイナス1.7万円というところまでわかりました。

 

ではこの先もこのマイナス額で維持していけるのでしょうか。

 

長く保有していくと、次に挙げる部分でよりキャッシュフローを圧迫する可能性があります。

 

・空室に伴う無収入期間の発生
・退去時に発生する原状回復費用
・入居者募集に伴う広告宣伝費
・家賃の下落
・修繕積立金の増額
・設備機器等の更新
・金利の変動

・その他不測の出費

 

 

・空室に伴う無収入期間の発生

立地、物件、入居者等にもよるのでもちろん幅はありますが、何十年にもわたって入居し続けてもらうのはよほど運が良くないと無理でしょう。

 

一般的には首都圏においても5%ほどの空室率は発生します。

 

仮に空室率5%で計算すると35年保有したとしてそのうち1年9ヶ月は空室ということになり、その期間は無収入ということになります。

 

後ほど説明する家賃の下落を考慮して計算したとしても、1年9ヶ月で約200万円の賃料収入減となります。

 

 

・退去時に発生する原状回復費用

ワンルームマンションの場合、入退去のサイクルは4,5年と言われています。

 

仮に4年ごとに退去が発生したとして、原状回復費に毎回5万円かかったとすると、35年保有していると8回退去が発生するので

 

5万円 ×    8回 = 40万円

 

の費用がかかることになります。

 

 

・入居者募集に伴う広告宣伝費

法律上は仲介は貸主、借主双方から合計で賃料1ヶ月分の手数料しかもらえないことになっています。

 

しかし、実際の慣習としては広告宣伝費という名目で貸主側から賃料1ヶ月分〜をもらっている場合がほとんどです。

 

もちろん払わないという選択肢もありますが、その場合は相手も損得で動いていますから空室が埋まりにくくなる可能性はあるでしょう。

 

ここでは広告宣伝費を1ヶ月分、35年で8回の入居付が発生すると仮定して計算すると.

 

10万円 ×    8回 = 80万円

 

の費用が発生することになります。

 

 

・家賃の下落

当たり前の話かもしれませんが家賃というのは新築時が一番高いものです。

 

立地や物件のグレードにもよるのでこれも一概には言えませんが、通常東京圏のワンルームマンションでも新築時から20年ほどで初めの賃料から1〜2割は下落します。

 

新築時10万円だったら20年で8〜9万円くらいになるわけです。(立地等によってはもっと下落します)

 

仮に楽観的にみて20年後に9万円だったとしても毎年0.5%づつ賃料収入は下落していくことになります。

 

これは20年経過以後賃料の下落が全くなかったとしても、35年で300万円の賃料収入減になります。

 

・修繕積立金の増額

ワンルームに限らず新築マンションの場合、初めの修繕積立金は低く設定してあると思って間違いありません。

 

なぜなら売る際にランニングコストが低く見えるからです。

 

しかし、実際はその修繕積立金額では将来的な大規模修繕に対応できなくなります。

 

よって、10年を過ぎたあたりから管理組合として修繕積立金の増額をしていくことになります。

 

総戸数や高層なのか低層なのかによってこれも金額が変わってきますが、ワンルームの場合はだいたい0.5万円〜1万円くらいで落ち着くことが多いように思います。

 

楽観的にみて10年目からそれ以降はずっと0.5万円だったとしても、35年で当初想定より90万円出費が増えることになります。

 

 

・設備機器等の更新

室内の専有部分には、給湯器、エアコン、換気扇、キッチン、トイレ、バス、洗面台、などなど。。。多くの設備機器等が設置されています。

 

給湯器やエアコンの耐用年数は10年から20年が一般的です。

 

なので35年経過までに2回ほど交換が発生する可能性があります。

 

給湯器は一回の交換で10万円〜、エアコンは5万円〜としても、35年で30万円の交換費用がかかります。

 

また、キッチンやトイレ、バス、洗面台は35年後も故障せず稼働しているかもしれませんが、そのままでは競争力が随分と低下しているでしょうから交換又は家賃のさらなる減額を余儀なくされるでしょう。

 

全てを1度交換したとするとグレードにもよりますが100万円〜の出費になります。

 

 

・金利の変動

変動金利で借りている場合、金利の変動によりローンの返済額が変わる可能性があります。

 

現在は超低金利時代ですから金利がさらに低下することは考えづらいです。

 

一方で35年もあればこの先ある程度上昇すると見るのが無難でしょう。

 

仮に金利が1%あがればローンの毎月の返済額は約1.6万円増加します。

 

ここでは20年後から金利が1%上がって3%になった前提で考えておきます。

 

そうすると35年間で当初想定よりも288万円返済額が多くなることになります。

 

 

・その他不測の出費

必ず発生すると思われる事象だけでもかなり沢山ありますね。

 

しかし、これ以外に不測の出費が発生する可能性もあります。

 

滞納発生により満額の賃料が受け取れない可能性もあります。

 

また、35年も経つと占有部分の給排水管も劣化が激しくなっていますから、場合によっては漏水が発生して大規模な修繕が必要になることもあります。

 

このように、ここで記載した以外の出費も考えておかなければなりません。

 

 

長くなったのでまた明日。。。眠い。