日本人が投資に積極的になれない3つの理由

ども。辞めリーマンです。

 

辞めリーマンが初めて投資商品に手を出したのは約12年前ですが、本当に投資の大切さを認識したのは不動産投資を始めた約8年前からです。投資をするかしないかで、60歳の時に手元にある資産額には何倍もの差がついてしまうので、間違いなく投資はしたほうがいいわけですが、日本にはまだまだ「投資=ギャンブル」と認識している人も多く、投資は危険だと考え貯蓄こそが最も安全だと思っている人が一定数いるのも事実です。

 

ではなぜ日本人はそういった考えの人が多いのでしょうか。

 

目次

 

日本人が投資に積極的になれない3つの理由

日本人は欧米人と比べて貯金を好む傾向にあります。これはデータからも明らかで、2019年3月末時点で次のグラフのような保有比率になっています。

 

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日本銀行調査統計局の「資金循環の日米欧比較」から引用

株式等、投資信託、債券証券を見てみると、アメリカは52.8%の保有に対して、日本はわずか15.2%しかありません。これはアメリカ人がリスクを好む性格で、日本人が保守的だからという理由ではありません(多少はあるかもしれませんが)。ちゃんとした明確な理由があるのです。

 

どうして日本人は投資に積極的になれないのか

その理由は大きくわけて3つあります。一つ目は、そもそも国が貯蓄を推奨していたから。二つ目は、投資しなくとも大きく資産を増やすことができたから。そして三つ目は、十分な金融教育が行われていないからです。

 

一つ目の理由:国が貯蓄を推奨していた

それではなぜ国が貯蓄を推奨していたのでしょうか。それは戦費調達のためです。1930年代後半から第二次世界大戦終戦まで、国家財政に占める戦費の割合は常に70%以上だったと言われています。現在の日本の防衛費が約5%、アメリカでさえ約9%であることを考えるといかに異常な数値だったかがわかります。

 

国家財政の70%以上も戦費に支出していては当然足りなくなります。当時の日本は、戦争は3年以内に終えられる計算だったようですが、想定以上に戦争が長引いてしまい、財政はとても苦しい状態でした。

 

そこで、戦費調達のために国民に貯蓄を強く推奨したのです。国民は銀行に貯蓄します。そして、銀行は政府が発行する国債(戦債)を購入します。このように間接的に国民に国債を買わせることで戦費をなんとか調達していました。

当時は次のようなポスターで貯蓄を推奨していました。

 

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このような背景から、日本人にはいまだに貯蓄の精神が残っていると言われています。

 

二つ目の理由:投資しなくとも大きく資産を増やせた

戦後も貯蓄精神が残っていた日本人ですが、ちょうど20世紀後半にかけて高度経済成長の時代が到来しました。1955年頃からの四半世紀で日本の実質経済成長率は毎年平均約10%を記録し、国民の所得は倍増していったのです。この時期は投資で資産が増えるスピードよりも、労働収入の増加のほうが上だったので、そうなってくるとリスクのある投資に注力するよりもより多く労働したほうがいいと考えるのは当然です。ちなみに、厚生労働省の賃金構造基本統計によれば、1958年の一般労働者の給与は16,608円でしたが、20年後の1977年には158,400円と約10倍になっています。

 

また、バブル期には、銀行の普通預金の金利が約7%ほどあった時期もあり、投資というリスクを取らずとも資産を増やすことができた時代でした。

 

三つ目の理由:十分な金融教育が行われていない

しかし、バブル崩壊を迎えて以降、労働による所得の増加、預金金利での資産倍増に期待が持てなくなり、資産を増やすためには投資を行う必要が出てきました。ところが、日本はいまだに貯蓄から投資への切り替えがうまくいっているとは言えません。それは教育によるところが大きいと言えます。

 

皆さんはこれまで投資に関する教育を受けてこられたでしょうか。少なくとも義務教育期間中に投資に関する教育(正確には金融教育)を日本で受けることはできません。

 

一方、アメリカでは早ければ小学生から金融教育を受けることができます(州や学区により異なります)。投資は早く始めれば始めるほどリターンが大きくなる性質があるため、幼少期から金融教育に触れ、投資に対する偏見を取り除き、投資の必要性を認識できるのは大きなメリットと言えますね。

 

結果的に日本と欧米には大きな差が

以上の理由から、日本人と欧米人では投資に対する異なる認識が生まれました。その結果、1995年から2015年の20年間で、家計金融資産の増加スピードに大きな差がついてしまいました。次の図は、金融庁がまとめた家計金融資産の推移です。

 

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ご覧のように、アメリカは1995年から2015年の20年間家計の金融資産が3.11倍になったのに対して、日本は家計の金融資産が1.47倍にしか増えていません。

 

今後、日本人が積極的に投資を行っていかない限り、ますます差は開いていくことになります。

 

無防備で投資をしては痛い目を見る

とはいえ、やみくもに投資を始めるのは違います。例えば、野球をしようとするのであれば、まずは野球のルールを知る必要があるでしょう。しかし、ルールを知ったからといってすぐに野球ができるかといえばそうはなりません。野球をするための道具を揃えなければなりませんし、うまくなるためにはたくさん練習しなければなりません。

 

これは誰もが当たり前だと思うでしょう。しかし、投資の世界に限って言うと、なぜか皆ほとんど勉強せずにゲームに参加し始めます。言ってみれば、メジャーリーグに野球のルールもよくわからず参加するようなものなのです。結果は明白ですよね。勝てるわけがありません。

 

しかし、なぜか投資の世界では、それでも勝てると思って参加する人の多いことか。例えば株式投資でいうと、「最近話題だから」「大企業で安定していそうだから」「何となく良さそうだから」程度の理由で購入している人が大勢います。これでは本当にギャンブルと同じになってしまいます。

 

一方で、考え方を変えれば、しっかりとした知識を持って投資の世界に入ることができれば、そういった何となく購入している人達に勝つのはさほど難しくないとも言えます。

 

ですので、まだ投資を始めていない人でも、入念に勉強して上で投資の世界に入ることができればそこまで恐れることはないと思います。

 

 

ではどうやって勉強すればいいのか。それはまた別の機会に。。。

 

ではでは。